こんにちは。Mechanic Lifeです。
いつも何気に乗っているバイクのサスペンションについて考えたことはありますか?
メーカー出荷時の状態でも問題なく乗車できるようにセッティングされています。
では何故サスペンションのサッティングが必要なのでしょうか?
今回はサスペンションのセッティングについて見ていきましょう。
フロントフォークの役割とは?
路面からのギャップを吸収
道路の凹凸を吸収する役割をするのが第一の仕事です。吸収することで凹凸の衝撃を軽減してくれてます。
衝撃を吸収することでタイヤが道路から離れにくくなり、タイヤと道路が設置した状態が保たれます。その結果安定したグリップをすることができるようになります。
フロントフォークの守備範囲(担当)は、減速と旋回が主な守備範囲となります。
フロントフォークのセッティングは必要か?
今回はフロントフォークについて見ていきます。
ミニバイクからリッターバイクまでノーマルフロントフォークをÖhlins•WP etcの社外サスペンションに交換されている方やノーマルのフロントフォークを改造している方もたくさんおられると思います。
個人的な意見では、セッティングが出来るフロントフォークであればセッティングは行うことが良いと思います。
ライダーの体重やブレーキング時のフロントブレーキの握り方もライダーのよって異なりますので出来るのであればセッティングは行なう方が良いと思います。
しかし中には、ミニバイク(49cc~125cc)系のScooterように変更が出来ない若しくは行いにくい車種もあります。
ノーマルの状態で悪いとか乗りにくいのではなく、無理にセッティングしないでも街中を乗ることは可能です。
どのようなフロントフォークでも、定期的にメンテナンスをしてフロントーフォークオイルや可動している消耗部品を交換することでいつも良い状態でバイクに乗る事ができます。
車高調整付き機能やダンパーの伸び側・縮み側のセッティングの機能がついているフロントフォークがあればお勧めですが、そのようなフロントフォークは価格も立派な金額になっています。
オンロードタイプの場合とオフロードタイプの場合とでは少し考え方が異なります。
オンロードタイプでは、よく”硬いサスペンションは良いサスペンション”と勘違いされておられる方がおられますが、元の位置に戻ってくるのが良いサスペンションです。
サスセッティングをしたから早く走れると勘違いされている方もおられますが、サスセッティングをすることによってその時の状態や状況に合わせて快適に走れるのが目的です。
ライダーによって体重やブレーキング時の握り方などが違うのがあるので、他人のバイクに乗れば乗りにくいというのはそういう意味もあります。
フロントフォークをセッティングするときに上記のようなパーツをセッティングすることで変更していきます。
フロントフォークによっては付いていない部品もありますが、その辺りは気にせずに出来るところを調節して見てください。
セッティングの手順
サスセッティングと聞くと何やら難しそうな感じはしますが、要領さえ掴めば出来ると思いますし、何回行っているうちに解ってくると思います。
サスセッティングの手順としては、影響力の大きいパーツから行っていくことが一般的です。
「リバウンドストローク」➡︎「プリロード調整」➡︎「減衰力 伸び側調整」➡︎「減衰力 縮み側 調整」
リバウンドストローク (ザグ)
フロンとフォークのサスセッティングを行う前に、リバウンドストローク (ザグ)を確認します。
リバウンドストロークとは、フロントフォークが伸びきった状態でライダーが乗った時(乗1G)のサスペンションの沈み量のことをいいます。
車種により異なりますが、全ストローク量の70%くらいが理想です。
残りの30%はマージンとして置いておきます。
このあたりの数字はメカニックさんによっても異なりますが、言い方が違うだけで結局同じような数値になるかと思います。
プリロード調整
プリロードでは車高の上下の調整(車高調)を行います。
フロントフォークスプリングは変わらないのですが、イニシャルを掛けたり・抜いたりすることでスプリングの動く距離が変わります。スプリングがどれだけ縮まったところから動き始めるかでフロントフォークの移動量が変わります。
理想は上記で述べたように、全体の70%が移動して30%がマージンへ極力合わせると良いです。
最初は、プリロードを全抜きして行うことが一般的です。
プリロードが強すぎるとき
フロントフォークの沈み込みが少なくなる。
マージンが少なくなるため、少しの衝撃の拾ってします。
- 車高が高くなり突っ張っているような感じがある
- ハンドルの切れ込みが強くなる
- 路面の細かい凹凸を受けやすくなる
プリロードが弱すぎるとき
フロントフォークの沈み込みが多くなる。
マージンが多くなるため、ふわふわとした乗り心地。
- ブレーキング時にフロントフォークのダンパーが底付きしてします
- ストロークがしすぎてフワフワとした柔らかい乗り心地で、ブレーキレバーを握っても握り込むことが難しくなる
ライダーの乗り方などで変化しますので、体重やブレーキング時の握り具合でも大きく変化します。
サスペンション減衰力
サスペンション減衰力とはプリロードとは異なり、サスペンションの「速さ」のことを言います。
サスペンションの速さと言っても”ピン”とこないと思いますのでもう少し詳しく説明させていただきます。
サスペンションが縮んだり伸びたりする事になります。縮み側のことを圧側とも言ったりします。
英語で言うと伸び側(Extension)と縮み側(Compression)となります。
減衰力を調整する事によりダンパーの動くスピードを調節することが可能になります。
伸び側ダンパー調整
伸び側では縮んだダンパーが勢いよく戻るよりもゆっくり戻って欲しい場合があります。
バネを離したときのように、勢いよく戻るとライダーとしてはやはり乗りにくくバイクを操るには難しくなります。
オンロードとしてはゆっくり戻ってくる方がコーナーリング時やブレーキング時にライダーとしては操作しやすくなるかと思います。
戻ってくるスピードの細かい調整をするのが伸び側ダンパー調整になります。
縮み側のセッティングができないサスペンションなどは、伸び側を背セッティングすると縮み側も調整されてしまうサスペンションもあります。走行するシチュエーションで変更するとバイクに乗ることが楽しくなります。
縮み側ダンパー調整
縮み側(圧側)では、ダンパーが縮みこむスピードをセッティングできます。
早く沈んで欲しい時もあればゆっくり沈んで欲しい時もあると思います。
ブレーキングをするとフロントフォークが沈みこんで減速や旋回などを開始します。
強いブレーキングをしてもゆっくり沈み込むと操りやすくなったりします。
減衰力のスクリューがない場合
少しマニアックなのですが、フロントフォークの中にフォークオイルが通るシートパイプというものがあり、オリフィスという穴が空いております。その穴をフォークオイルは行き来することで減衰力のスピードのコントロールを行なっています。
オリフィスの大きさを変更することでも減衰力のセッティングは可能です。
セッティングしても挙動が可笑しい場合
上記のようなことを行なっても改善されい場合は、サスペンションダンパーが効いていないという事になります。”サスペンションが抜けている”と言ったりします。
フォークオイルの劣化などが考えられますので、交換したりなどが必要です。
プリロード調整時に改善されない場合は、フォークスプリングの交換が必要なこともあります。
ワンランク硬いものにしたり、柔らかくしたりすることも可能です。
フォークオイルについて
フォークオイルはいろいろなオイルメーカーからたくさんの種類が出ております。
同じ「#10」といっても各メーカーによって年度が異なるため注意が必要です。
HAMAHAの「#10」とKYBの「#10」とは全く違いますので、入れるのであれば同じ銘柄のフォークオイルを使うと良いでしょう。
フォークオイルでもフロントフォークの動きが変化します。
まとめ
フロントフォークをセッティングする事により、決して速く走ったりできるわけではないですが、乗り心地を重視したセッティングにするのが目的です。
サスセッティングをすることで、街中を走るときや峠道及び山道を走るときやサーキットなどで走るときのセッティングが可能となります。
乗りやすくなるということは、ブレーキングの時間が短くなり、アクセルを空けている時間が長くなることで若干速くなることもあるかもしれませんが、今回の目的は如何に乗りやすく安定したバイク操作が出来るかです。
プリロードは車高の上下の調整となります。
減衰力はダンパーの動く速さとなります。
サスペンションの中の部品ですので同じに思えたりしがちですが、仕事内容は全くことなることをしております。一緒に考えてしまう方もおられますが、お間違えのないようにお願いします。
リアサスの方も後日アップしたいと思いますのでお楽しみに!
コメント