現行の原付スクーターはCarburetorからFI (Fuel Injection) に新車では変更されています。
4サイクル独特の持病と言って良いほど起こる確率が高いトラブルです。
しかし、定期的にメンテナンスをしていれば確率はかなり下がります。
症状としては、セルモーターは回るがエンジンが掛からないというのが一般的てす。
症状が似ていても違う故障というのもありますので、注意が必要です。
4サイクルのスクーター持病
現行で活躍している原付のスクーターはメーカー問わず起こるのがエンジンのトラブルです。
原付4サイクルエンジンスクーターはいくつかエンジントラブルがあります。
今回は最も多いトラブルでもある「バルブカーボン噛み」について説明していきます。
バルブカーボン噛み
4サイクルは、吸入→圧縮→燃焼→排気の行程でエンジンは動いています。
4サイクルエンジンは2サイクルエンジンと異なりバルブというものが付いており吸気側と排気側とそれぞれ付いています。
バルブの開閉により燃焼室の吸入→圧縮→燃焼→排気を行なうことが出来ます。
混合気を吸入して圧縮するときには吸入側・排気側両方のバブルが閉じているため圧縮が出来ます。
厳密に言うと上記の画像とは若干異なります。
バルブカーボン噛みというのは圧縮時にバルブがしっかり閉じない事で起こります。
バルブが閉じていないと混合気を圧縮できないためで、圧縮漏れを起こすと圧縮されないためエンジンは掛からなくなります。
何故起こるのか?
何故バルブが閉じない?
では、何故バルブがしっかり閉じないのでしょうか?
物を燃やすと煤が出来ますよね! その煤がバルブの密閉性手を損なっています。
その煤はどこに蓄積しているのでしょうか?
殆どがピストンヘッドに蓄積しています。
エンジンが掛かっているときに点火プラグによって燃えるはずなのですが、燃えてくれなかった燃え残りがすすとなります。
どのような状態の時になるのか?
エンジンを掛けて暖まる前にエンジンを切る様な乗り方をしていると起こり易くなります。
冷間時はエンジンは濃い混合気を欲しくなるので通常よりもガソリンを増やして空気の量を減らしてエンジンを掛ける事をしています。ガソリンの割合が多いほど点火しやすいためバイクが自動で行ってくれてます。
暖まると適正な割合で混合気を作ってくれます。
暖まる前にエンジンを切ることで温まりかけていたエンジンがまた冷えてしまうので、エンジンは濃い混合気を欲しくなる状態がまた戻ってきて常に混合気が濃い状態になり、繰り返すと煤が溜まって煤が逃げるところがないので吸気バルブや排気バルブへ逃げて、バルブフェイスという部分に煤が付着してしまい圧縮が出来なくなり圧縮漏れが起きてしまいエンジンストップになるということです。
この状態が、どこでなるかは誰にもわからないので、ご自宅でなることもあれば出先でなることもありますし、一番ビックリされるのは、走行中や交差点内でのトラブルがあります。
どの様な症状になるのか?
キックスターターが付いている場合は、キックスターターが簡単に手でも力入れずに降りてしまいます。
セルスターターの場合は、セルモーターが負荷なく空回しているゆな感じになります。
圧縮が有り掛かりそうな時は、キックペダルが硬くなったり、初爆をしてエンジンが掛かりそうな音がなります。音が全然違うのでわかるかと思います。
数回セルモーターやキックスターターを動かしていると掛かってくれる事があります。
対処方法は?
対処方法は勿論あります。
- 定期的にメンテナンスを行なう
- 添加剤を使用する
- エンジンをオーバーホールする
定期的にメンテナンスを行なう
常にメンテナンスをして、エンジンが冷えていたら暖気をすることが大切でお財布にも優しいです。
メンテナンス = 点検整備です! 人間で例えると定期健康診断にあたります。
メンテナンスをすることにより早期発見が出来るので軽症で済むことが多いです。
メンテナンスをする時には、勿論メンテナンス料は必要ですが、定期的に見ることで早期発見や軽症で済むことが多いです。
バルブのカーボン噛みもエンジンが掛かりにくいとかを整備士さんにいうと見ていただけると思います。
症状が出ていたりすると点火剤を入れたりとか最終的には、オーバーホールが必要になってきます。
添加剤はどの様なもでオーバーホールはどの様なものなのでしょうか?
- 添加剤とは : 内服薬みたいなイメージを持って頂けるとわかりやすいかと思います
- オーバーホール : 外科的手術の様な感じで思っていただければと思います。
添加剤を使用する
バルブカーボン噛みが既に起こっている場合でも、オーバーホールまでしなくても良い場合が多いですが、「WAKO’S フューエルワン & フューエルツー」をガソリンタンクに規定料入れて頂くだけで解消されることが殆どです。但し1回だけではなく2〜3回連続で入れて頂くと効果を発揮できます。
圧縮がない場合は先に圧縮を復活させることが前提となりますので、バルブフェイスに付着しているカーボンを除去してからとなります。
少し技術や経験が必要ですが、強制的にカーボンを落とすには吸気バルブ側や点火プラグを取り外し直接ピストンヘッドに吹き付けてカーボンを溶かす方法などがあります。
バルブフェイスやピストンヘッドの煤を落とすには、エンジンコンディショナーやキャブレタークリーナーなどの泡状のケミカルがお勧めですが、大量に噴霧するのはよくないので注意が必要です。
その後に、フューエルワン & フューエルツーをガソリンタンクより注入してエンジンをかけて頂くと良いです。
⚠️スロットルボディーは必ず取り外してから行なうことおお勧めします。
FI車はスロットルボディーにもセンサーがあるので知らずに噴霧するとそのセンサーを破損させてしまい高額な部品を購入しなければならなくなるので様注意です。
エンジンをオーバーホールする
添加剤などで何しても動かない場合は最終手段として、エンジンオーバーホールになります。
車体からエンジンを下ろして部品一つずつ洗浄したり計測するので一番良いですが、その分コストと時間が掛かってきます。
こちらもその後に、フューエルワン & フューエルツーをガソリンタンクより注入してエンジンをかけて頂くと良いです。
まとめ
バルブカーボン噛みは現行の原付のスクーターならメーカー問わず必ずと言っていいほど起こります。
厄介なことは、いつどこで起きるかが誰にも予想しにくいですすが、日々のメンテナンスを行っていればトラブルになるなる確率がかなり下がります。
バイクが動かなくなったら上記のような症状があるか見て、バイクショップなどで点検してもらうと良いでしょう。
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