キャブレターオーバーホール

キャブレターオーバーホール 日常の仕事

こんにちは。Mechanic Lifeです。
少し間が空いてしまいましたが、少しバタバタしておりました、
今回はキャブレターのオーバーホールは定期的にしていますか?
いうことをお話ししていきたいと思います。

オーバーホール

では一体オーバーホールとは何なのか、ご存知でしょうか?
よくバイク屋さんや車屋さんで耳にする単語ですよね?!

オーバーホールとは、機械製品を部品単位まで分解して清掃・計測・再組み立てを行い、新品時の性能状態に戻す作業のこと

キャブレターを分解して汚れている箇所を洗浄して、可動部の動きを見て動きが悪いところは歪みを生じていないか目視したり、計測機によって数値化することで異常がないかを確認します。
異常が発見された部品はその場で交換して出荷時にできる限り近づけていきます。
Oリングやパッキン類などのゴム製品や紙でできたガスケット類は基本的には一回使用すると変形してしまうので交換をお勧めします。
もう一つ大事なことは細い通路ですので、先の尖った硬いもので洗浄すると傷がついて組み上げた時にセッティングが狂ったり出なくなることがありますのでこの辺りは要注意です。

キャブレターの部品

キャブレターの中の様子

キャブレターの主な部品とはなにがあるのか?ご存知ですか?
部品にはそれぞれに役割があるので見ていきましょう
整備士は、各ジェット類の番号のことを “番手を上げる”や”番手を下げる”と言った表現をすることが多いです。アクセル開度でも表したりもします。
キャブレターセッティング時に必要になってくる用語になりますので、今はサラッとで問題ないです。

スロー (パイロット) ジェット

主にアイドリ付近が守備範囲です。アクセル開度は全閉~1/8
スロージェットパイロットジェット最初は同じ物なんだなぁと言った感じで覚えて置くと良いかと思います。厳密には若干違いがあります。

スロージェットパイロットジェット違い
  • スロージェット (SJ) : ガソリンと空気を混合させて霧状にしてエンジンへ混合気を送る
  • パイロットジェット (PJ) : ガソリンの流量のみを規制して空気との混合は別のところで行う

堅いワイヤーブラシや針金などで洗浄するときは傷がつきやすいので気を付ける。
できたら、ケミカルに付け置きなどが望ましいです。

メインジェット

主に全開付近が守備範囲です。アクセル開度は3/4~全開
本やネットではメインジェット (MJ) はアクセル開度は3/4〜全開しか使わないみたいなことが書いてありますが、いろいろな考え方があるように、ハーフスロットル(1/2開度)あたりから効いていると思います。その間には後でも述べていますが、ジェットニードルがあるので体感などではわかりにくいです。

堅いワイヤーブラシや針金などで洗浄するときは傷がつきやすいので気を付ける。
できたら、ケミカルに付け置きなどが望ましいです。

ジェットニードル

主に中速付近が守備範囲です。アクセル開度は1/8~3/4
ジェットニードル (JN) と言われても何それ?って思う方も居られるかも知れませんが、スロットルバルブからから出ているのことを正式名称ではジェットニードル (JN) といいます。
ジェットニードル (JN) の針の先がメインジェットに刺さっているため、メインジェットでお話ししたハーフスロットル(1/2開度)あたりから効いていると言うことになると思います。

堅いウエスなどで洗浄するときは傷がつきやすいので気を付ける。
できたら、ケミカルに付け置きなどが望ましいです。

スロットルバルブ (ピストン)

スロットルバルブで空気の吸入量を調整しています。
アクセル(スロットル)ワイヤーと連動しておりアクセルを空けたり閉めたりするとガチャガチャ音がするのはスロットルバルブが動いているからです。
スロットルバルブの吸入側には切り欠きのことをカッタウェイと言い、切り欠きが大きいほど低開度域で,混合気は薄くなる
スロットルバルブでもセッティングできるのですが、レーシングキャブ以外は種類がなかったりします。

スロットルバルブの外周は張り付き防止のため、メッキ加工してあることが多いので洗浄するときは傷つけないように要注意です。

フロートチャンバー

carburetor_1
フロートチャンバー

ガソリンを貯めておく水槽のようなもの

carburetor_2
オートチョーク通路

オートチョークのキャブレターは特にオーバーホール時は、手前の真鍮の穴から奥の穴へガソリンが流れるかを必ずチェックしましょう。

フロートおよびフロートバルブ

フロートは浮きのような役割でガソリンの量を見ています。
フロートバルブはフューエル通路に鉛筆の芯のような形で先端はゴムでできており、キャブレター内のガソリンが規定値より少なくなるとバルブが開いてがガソリンを流して規定値になると溢れないようにガソリンを調整してくれています。
フロートと連動しているので自動で常に行ってくれてます。

フロートは劣化して穴が空いてないかを点検する
フロートバルブは先端のゴムの部分の劣化や変形を確認する

エアースクリュー

エアースクリューは文字の通りエアーの調整をするスクリューです。
見分け方はキャブより後ろにありエアークリーナー側にあるスクリューがエアースクリューです。
エアースクリューを全閉にすると混合気にエアーが流れなくなるので混合機が濃くなります。
エアースクリューの先端は針のようになっているので力一杯閉めると通路に傷がついたり、エアースクリュー自体が曲がったりします。

バラすときはどのようになっているか確認しながら慎重にバラしましょう

パイロットスクリュー

パイロットスクリューは文字の通り燃料の調整をするスクリューです。
見分け方はキャブより前にありエンジン本体側にあるスクリューがパイロットスクリューです。
パイロットスクリューを全閉にするとガソリンが流れなくなるので混合機が薄くなります。
パイロットスクリューの先端は針のようになっているので力一杯閉めると通路に傷がついたり、パイロットスクリュー自体が曲がったりします。

バラすときはどのようになっているか確認しながら慎重にバラしましょう

注意すべき点

キャブレターのオーバーホール時に気をつけないといけないことは

オーバーホール時に気を付ける点
  • 無理矢理こびりついているものを擦らない
  • 堅いワイヤーブラシや針金などで強く擦らない
  • Oリングやパッキン及びガスケットは必ず新品へ交換しましょう
  • 頑固な汚れはケミカルなどを使用して溶かして落とすようにすると傷つきにくい

まとめ

キャブレターのオーバーホールは年に一回くらいの定期的で良いと思いますので、乗らないような冬場などにするのがお勧めです。
ガソリンが劣化してから洗浄すると異臭も有りますし、こびりついた汚れが思うように落ちないことがあります。落ちないときは焦らずケミカルを使用して化学の力でつけ置きして時間をかけてキレイにしましょう。
乗らない時期は、キャブレターからガソリンを必ず抜いておきましょう。
オーバーホールをすることでバイクの調子も良くなります。

単気筒から多気筒まで数は増えてもやることは同じです。

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